科・属名

クマツヅラ科 Lamiaceae

ハマゴウ属 Vitex

学名

Vitex rotundifolia L. fil.

英名

分布が広いので各地で多数の英名がある。Beach vitex, Rounded-leaved chaste tree, Chasteberry, Monk’s pepper

和名の由来

ハマゴウはハマホウに由来し、ホウと呼ぶ地域もある。全体に芳香があり、古くは香として用いられたことで「浜香」、また「浜這」とわれたとも。

学名の由来

Vitex ラテン語でつる状の意。Vieoに結ぶの意もある。Rotundifolia葉が丸いの意。

木の特性

分布

日本、中国、朝鮮半島、東南アジア、ポリネシア、オーストラリア。

海岸の砂浜に群生。日本では内陸の淡水湖の琵琶湖沿岸にも生育。

形態

落葉低木。 茎は地面を這う海浜植物。

茎には4稜があり、70㎝にも伸びる。匍匐する茎の節には不定根が生じる。古木ではコルク層が盛り上がって縦の稜がいくつもできる。

葉は普通単葉、希に3出複葉、対生。葉の裏面は白毛で被われる。

晩夏に青紫色の花を数個頂生し、花期に茎は立ち上がる。釣り鐘状の花冠は5裂し、唇形で下側は裂片3で、中央裂片は特に大きい。雄しべは4、雌しべは1で花冠より長く、柱頭は2裂する。

果実は核果で、宿存がくに包まれ、淡黒色に熟す。果皮は厚いコルク質で、海流により流される。種子は4個。

特性

果実はα―ピネン、カンフェン、テルピネオールアセテート、ビテキシンカルビン(フラボン類)を含む。

果実は、頭痛、風邪、関節痛、解熱、強壮として、また、浴湯料として用いられる。

葉は、精油、及びカスチシン、ルテオリングルコシドを含み、打撲傷、腫物、出血に用いられる。

暮らしの中での用途や木にまつわる話など

果実、茎葉は薬用。

芳香があるので、線香に使われる。

灰汁は染料とする。