
科・属名
ニレ科 Ulmaceae
ニレ属 Ulmus
学名
Ulmus parvifolia jacquin
英名
Chinese elm,Lace bark elm
和名の由来
日本産ニレ属で唯一秋に開花することため。
ニレは韓国語の「ヌルム」が変化した。
学名の由来
Ulm ケルト語のニレに由来。Parvifolia 葉の形が小さいの意。
木の特性
分布
本州中部以西、四国、九州、に自生。大気汚染に強いため広く植栽される。
形態
落葉高木。
樹皮は灰褐色、若い木には小さな皮目があり、古くなると樹皮がりん片状に剥がれてまだら文様になる。剥がれた跡には皮目が目立つ。 葉は長さ5㎝ほど、光沢があり、表面がざらついて堅い。葉縁には鈍きょ歯がある。葉にむしこぶをつくる。
9月頃に淡黄色の両生花を付ける。雄しべは4、葯は大きい。雌しべ1,柱頭は2裂する。
果実は長さ1㎝程度、翼があり、風散布される。
1個の翼果には種子が1個あり、葉が落ちてもまだ冬になるまで落ちないが、春近くには殆ど散布される。
種子の発芽率は高いが、初期発生が遅いので競合する植物のいない痩せ地でしか定着できない。
川原、石灰岩地域、痩せ尾根に生育する。
根が良く発達するので、これらの乾燥地帯でも生育できる。川原は水はけが良く冠水時以外の環境は乾燥地となる。
特性
樹皮はタンニン、でんぷん、スティグマステロール、シトステロール、マンソノンC,G,7-ヒドロキシカダレナール、3-メトキシー7-ヒdロキシカダレナールを含む。葉はイソケルセチン、ルチンを含む。
材の気乾比重は0.54~0.90で材としては硬い部類に属する。

生薬
生薬名
楡皮 神農本草経(上)はノニレUlmus pumila L.
使用部分
樹皮
採集時期・方法
春に幹或いは根の皮をはぎとり日干しする。
主な薬用成分
タンニン
公定書
日本薬局方 ―レンギョウFORSYTHIAE FRUCTUS
レンギョウForsythia suspense Vahl
またはシナレンギョウF.viridissima Lindley(Oleaceae)の果実
局外生薬規格―
木犀科植物 連翹Forsythia suspense (Thunb.)Vahl的
干燥果実
薬性・薬味
甘、平
応用・利用
利尿(排尿困難)、背中のできもの(腫瘍)
暮らしの中での用途や木にまつわる話など
カワラゲヤキ、イシゲヤキ、ニレ、ネリともいう。公園、庭園、街路樹として利用。材は堅いので、家具、戸棚、ベニヤ板、床材、野球のバット、器具材、車両材として利用。 民間で、樹皮と葉を薬用にする。
樹皮は煎汁が利尿、鎮痛に効果がある。歯の痛みには生葉を煎じて少量の酢を加えたものでうがいすると 効果がある。また、できものには葉を砕いて出てきた汁を患部に塗布するとよい。
樹液が豊富で、カブトムシ、クワガタムシなどが好む。