
科・属名
マツブサ科 Schisandraceae
マツブサ属 Schisandra
学名
Schisandra chinensis Baillon
英名
Five flavour berry
和名の由来
江戸時代享保年間に薬用植物として朝鮮から伝えられたことと、五味子は果実に、甘、酸、辛、苦、塩の五味があることによる。
学名の由来
Schisandra schiza (離れる)+ andra(雄しべ)(雌雄異株で)Chinensis 中国の。
木の特性
分布
日本(北海道、本州北部)、中国、朝鮮半島、ロシアのアムール川流域、樺太に分布。<詳しく見る>
形態
落葉性つる植物。
雌雄異株または雑居性。
つる性の茎は1㎝程度で太くならない。特別のよじ登り器官(吸盤、巻きひげ)を持たず茎で巻き付くが樹冠まで届くほど高くつるを伸ばすことはない。地上部の寿命は数年で枯死するが、地下茎が発達して新しい地上茎を伸ばすので、個体自体は生き残る。
葉は10㎝程度、長い倒卵形で先端はやや尖る。葉縁には細かいきょ歯があり、葉脈が凹む。葉の裏面の脈上に乳頭状の突起がある。
初夏、細い柄をだして、黄白色で芳香のある花を付け、基部は赤身を帯びる。花弁とがく片の区別は無く、花被片は6-12、雄花の花被片は小さく、雄しべ6、基部は合着する。雌花の花被片は大きく、多数の雌しべがある。単生花をつけるこの種では一生の間に性転換して、雄花をつけたり、雌花をつけたり、また雄花と雌花をつけたりする(山口陽子)。
花後に花床が伸びて大小多数の球形の漿果をつけ、穂状に垂れ下がる。
秋に果実は赤く熟す。松ヤニの様な独特の芳香がある。
種子は腎臓形で、それぞれ1-2個を生じる
特性
果実にαー、βーピネン、カンフェン、ミルセン、αーテルピネン、リモネン、、チモール、ボルニルアセテート、リナロール、ボルネオール、イランゲン、安息香酸、αー、βーカミグレン、カミグレナール、シトラール、リグナン類のゴミシンA, B, C,D,F,G,シザンドリン、プレゴミシン、βーシトステロール、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸が含まれる。

生薬
生薬名
五味子 神農本草経(中)はチョウセンゴミシSchisandra chinensis Baillonで同じ
使用部分
果実
採集時期・方法
10から11月に良く熟した果実を日乾燥させる。または晒して乾燥。或いは蒸した後晒乾。果実コウ及び雑質を除く。
色・味・香り
外面は暗褐色~黒褐色。弱い匂い及び酸味があり、後に渋くて苦い。
撰品
黒色で、湿り気があり、酸味の強いもの、なるべく軸が少なく、良く乾いていて、香の強いもの
主な薬用成分
精油(citral),リグナン類(schizandrin A~D),有機酸(citric acid)
公定書
日本薬局方 ―ゴミシ SCHISANDRAE FRUCTUS
チョウセンゴミシSchisandra chinensis
Baillon(schisandraceae)の果実
局外生規:―
中共薬典 ―木蘭科植物 五味子Schizandra chinensis(Turcz)Baill
的乾燥成熟果実
漢方例
小青竜湯(傷・金)、苓桂味甘湯(傷)
薬性・薬味
酸、温
応用・利用
滋養強壮 鎮咳 止汗。
その他
起原植物として、チョウセンレンギョウF.koreana Nakaiも使用されたことがあったが、現在市場性がない。
暮らしの中での用途や木にまつわる話など
朝鮮から移入されたが、享保年間に朝鮮半島から漢薬として伝えられた。平賀源内が渡来の五味子の栽培に成功し、後に日本国内にも生育していることがわかった。
漢方ではショウガなどと共に用いられる基本的生薬の1つ。
生果を果実酒、乾果を茶などに利用。