
科・属名
アケビ科 Lardizabaraceae
アケビ属 Akebia
学名
Akebia trifoliata (Tunb.) Koidz.
英名
Three leaf akebia
和名の由来
果実が熟して割れて中に果肉が見える様子を「開け実」がアケビになった。ミツバは小葉が3枚であるため。
学名の由来
Akebia 和名に由来。trifoliataは葉身が3小葉から成っていることを意味する。
木の特性
分布
中国、日本(北海道、本州、四国、九州)に自生。
山地に生育。森林破壊のあとで早い時期に入り込むがつる植物として他の樹木の生育を損なうことはない。
形態
つる性落葉植物。雌雄同株。
茎が他の樹木にからみ上に伸びる、太いものは直径2㎝にもなる。
葉は互生し、掌状複葉、複葉は3枚、小葉は広卵形、先端は凹む。葉縁にはきょ歯がある。葉柄は10㎝前後で長い。
早春、葉の展開とほぼ同時に若い葉の葉腋から総状花序をつける。単生花。花序の先端に10数個の雄花をつけ、基部には1-3の大きな雌花をつける。
雄花は小形で濃紫色、花被片は3、雄しべは6。雌花は3㎝くらいの花柄をつけ、花被片は3、円柱形の雌しべが3-9。花被片は花弁状のがく片のみ。
果実は液果、長さ10㎝くらいの長だ円形、秋に紫色に熟し裂開する。果肉は白色、中に多数の濃褐色の種子が見られる。半透明の仮種皮が種子を包む。
特性
材はヘデラゲニン、オレアノール酸、種子はオレイン酸、リノレイン酸、パルミチン酸を主成分とする脂肪酸を多く含む。

生薬
生薬名
通草 神農本草経(中)は Akebia quinata (Thunb.)Decneで同じ
使用部分
茎
採集時期・方法
蔓性の直径1~2センチの茎を輪切りにし、乾燥。
色・味・香り
皮面は暗灰褐色。ほとんどにおいがなく、味はわずかにえぐい。
撰品
なるべく大径で、そろっているもの。
主な薬用成分
トリテルペノイドサポニン(akeboside akebin),無機物(カリウム)
公定書
日本薬局方 ―モクツウ AKEBIAE CAURIS
アケビ Akebia quinata Decaisne 又は
ミツバアケビ A.trifoliata Koizumi(Lardizabalaceae)のつる性の茎を、
通例、横切りしたもの
局外生規 ―
中共薬典 ―
漢方例
五淋散(和剤局方)、消風散(外科正宗)
薬性・薬味
辛、平
応用・利用
民間療法として、腎臓炎・尿道炎・膀胱炎・浮腫みに内服。おできに煎じ汁で洗う。
漢方薬では消炎・利尿・鎮痛・通経・通乳の作用があり、膀胱炎・むくみ・湿疹・関節リュウマチ・神経痛・月経不順・母乳不足などを改善する薬方に配合される。
その他
異物同名品が中国では流通している。ウマノスズクサ科の木通馬兜鈴Aristrochia manshuriensis Kim.が関木通で流通している。
関木通には腎障害を起こすアリストロキア酸を含有しているので、危険である。アケビ科の木通の起原植物であるアケビには問題はない。
暮らしの中での用途や木にまつわる話など
紫色の果皮の中に多くの種子と白色半透明の甘い果肉があり、果肉を食用とする。果肉は甘いが、果皮は苦みがあるがあり、油炒め、みそ味が良く合う。春先の若いつるの先端は軽く湯がいて三杯酢で食す。種子を集めて圧搾して脂肪油を採取し、食用とする地域もある。
果皮は油でいためごまよごしにしたり、、葉をマタタビの葉などと共に細かにきざみ塩漬け(木芽漬)にして食用とする。
つるが丈夫なので,薪を結束するのに使用したり、はく皮したものを椅子、バスケット果物かご、魚籠洋服入れなどや、長野の鳩車のような玩具細工の材料とする。
アケビの木化したつるを輪切りにしたものは木通で、生薬とする。果実を乾燥した預知子も漢薬とする。 染料としてはアルミ媒染で黄色、銅媒染で茶色系鼠色、鉄媒染で鶯色などに染まる。