
科・属名
バラ科 Rosaceae
バラ属 Rosa
学名
Rosa multiflora Thunb.
英名
Mutiflora Japonica、Baby rose, Eijitu rose, Japanese rose, Many-flowered rose, Seven sisters rose
和名の由来
古名は茨(いばら)宇波良(うばら)で、「いばら」は刺のある植物の総称であった。野に生える「茨」か。漢名の「薔薇」(そうび)は平安時代に使われていた。
学名の由来
Rosa ケルト語のrhodd「赤色」,Multiflora ラテン語で花が多いこと。
木の特性
分布
日本(北海道-九州)、朝鮮半島に分布。
日本では野原、草原、道ばた、河川敷などに生育するが、林内には殆ど見られない。
地上部を刈り込まれても良く萌芽する。
形態
半つる性落葉植物。
根本の茎は太くなるが、根本は太くなるが、主軸は余り伸びずに、細かく分枝する。つる上には刺が対生。葉は奇数羽状複葉。小葉は7-9枚、だ円形、細かいきょ歯がある。
初夏に淡紅色から白色または淡紅色の花を散房花序に付ける。花弁は5、2㎝ほどの大きさ、雄しべは多数、黄色、雌しべ1.香りが良い。秋に8㎜ほどの偽果が赤く熟す。
特性
偽果は、フラボン配糖体のムルチノサイドA, B,ムルチフロリンA, B, ケルセチンールチノサイド のほかに紅色素のリコピンを含む。
ムルチフロリンは加水分解によってケンペロールを生成する。

生薬
生薬名
営実 神農本草経(中)はノイバラ Rosa multiflora Thunb.で同じ
使用部分
偽果
採集時期・方法
果実=11月頃、完全に赤く熟さず、まだ青みがかったままの果実を採集し、 日干しにする。 根 =秋に根を掘り取る。
色・味・香り
わずかににおいがあり、花床は甘くて酸味がある。堅果は初め粘液様で、後に渋くて苦く、刺激性がある。
撰品
色が鮮やかで粒がそろい、果柄の少ないもの
主な薬用成分
フラボノイド(ムルチフロリンA、B。ムルチノサイドA,B),紅色素(リコピン)
漢方例
営実湯(本朝経験)【営実 大黄 甘草 実証の腹水】
薬性・薬味
果実 酸温,根 苦渋 平,花 苦渋 寒,葉 苦 寒
応用・利用
瀉下、利水、活血、解毒・理気作用があり、むくみ・脚気・関節の動きをよくし・にきび 瘡毒(おでき)・腫れものなどの皮膚病 月経痛など・健胃・鎮咳・去痰・食欲不振・嘔吐・咳嗽・去痰など多くの民間療法に用いられる。
果実をローズヒップと呼んで、花弁と共にハーブテイーとする。
暮らしの中での用途や木にまつわる話など
ノバラ、シロイバラ、グイ、コモチイバラ、シロバラともいう。園芸品種のバラの接ぎ木用台木として用いられる。果実は生薬とされるが、作用が激しいので民間薬にはならない。
化粧品にも細胞活性効果があるので使われる。本種は侵略的外来種として厄介もの扱いされる地域もあるが、山羊の餌としては有益である。