科・属名
マメ科 Fabaceae(Leguninosae)
ジャケツイバラ属 Caesalpinia
学名
Caesalpinia decapetala (Roth) Alst. var.Japonica (Sieb. et Zucc.) Ohash
英名
Mauritlus, Mysore thorn, Cat’s claw,Brazilwood
和名の由来
漢字表記は「蛇結茨」(ジャ ケツ イバラ)で枝がもつれながらくねり、互いに絡みあって蛇がどくろを巻いている様子に見立てたもの。
学名の由来
種小名japonicaは日本を意味する。Caesalpinia イタリア法王クレメンス8世の侍医、植物学者のアンドレア・チェザルピーノ(植物分類体系を著す)に因む。decapetala 花弁が10枚の意だが、実際には花弁は5しか無い。Decaは「数字の10」の意。 petalaは「花弁」のこと。宿存性のがく片は花弁と同じ色なので花弁に見立てたらしい。Japonica 日本に生育するの意
木の特性
分布
ユーラシア大陸東部の暖温帯に分布。
日本では宮城県、山形県以南の本州、四国、九州に分布。
伐採地、川岸、林縁などの日当たりの良い地を好む。
形態
つる性落葉低木。
葉と葉軸の裏面に鋭い鈎状の刺がある。丈夫な刺は次第に発達する。この刺を他の植物に引っかけて登る。若い茎には柔毛を生じ、後に無毛。
葉は2回偶数羽状複葉、長さ30㎝。3-9対の羽片にはそれぞれ5?10対の小葉がつく。小葉はだ円形、2㎝くらい、表面は細毛、裏面は白色。
晩春から初夏に30㎝長さの花序をつける。
花は30㍉くらい、がく片5は黄緑色、花弁5は鮮やかな黄色、大きく開き、僅かに左右対称、上側の1枚には小さな赤い筋が見られる。
雄しべ10は赤い、花糸の下方には白毛が密生。
雌しべは1は雄しべに包み込まれ外からは見えにくい。
果実は豆果、長さ7㎝、縫合線に沿って翼状の小さな突起が出る。
秋に熟し、10個前後の種子が出来る。
特性
種子は豊富に脂肪油を含む(35%)、根の皮はタンニンを含む。
種子の煎汁にはマウス、ラットによる試験で鎮咳、きょ痰作用があり、また、大腸菌,化膿性細菌に対して抗菌作用を示す。
生薬
生薬名
雲実 神農本草経(上)はシナジャケツイバラCaesalpinia sepiaria Roxb.
使用部分
種子
【参考画像】
採集時期・方法
6~7月ごろ、豆果を採り、日干しにしておくと、殻が裂け、種子が出てくる。さらに、これをよく日干しにして乾燥させる。
色・味・香り
青黄色。噛めば極めて堅く、生臭い臭気がある
主な薬用成分
種子 黄金色の油,果実 タンニン
公定書
日本薬局方 ―収載なし
局外生規 ―収載なし
中共薬典 ―
薬性・薬味
辛温 有毒
応用・利用
細菌性の下痢を止める。回虫・鉤虫を駆除する。打撲の痛みを去る。
暮らしの中での用途や木にまつわる話など
別名カワラフジ。果実を薬用、種子を数珠に利用する。古く、中国から移入された。
日本産と言われるが、これは中国から移入したものの可能性が高い。
種子は生薬とされる。
開花期にはハチなどの蜜源となる。