(別名 ウダンザンショウ,チクヨウショウ,オノザンショウ)

科・属名

ミカン科 Rutaceae

サンショウ属 Zanthoxylum

学名

Zanthoxylum armatum DC. varsubtrifoliatum (Franch.) Kitam

英名

Thoothache tree, Hercules’s club、winged pepper tree

和名の由来

常緑で冬でも葉が落ちないことから。

学名の由来

Zanthoxylum zantho 黄色の+ xylum材 Amatu amarus 黒色の Subtrifoliatum  やや3出葉の傾向をもつ。

木の特性

分布

日本(関東以西、沖縄)、朝鮮半島、中国。

湿った岩や崖に多い。

形態

常緑低木。雌雄異株。

若い樹皮は明緑色、古くなると灰黒色、刺やいぼ状の突起が成長して大きくなる。

葉柄の基部の茎に赤褐色の刺が対生。葉は光沢があり、革質、羽状複葉、小葉は3-7。複葉の中軸には翼、刺がある。葉の裏面には僅かに毛がある。

初夏に葉腋から小さな花序を出す。淡黄色。花被片は8、退化した雄しべ8が雌しべ1を囲む。柱頭は2裂する。日本では雄株は知られていない。

果実は2分果、秋に赤く熟し、表面にいぼ状の突起がある。大きさは直径5㎜程度。

種子は黒色で光沢がある。

特性

果実はキサントプラニン、根はアルカロイドのジクタミン、スキミアニン、マグノフロリン、キサントプラニン、ジクタムニンを含む。

根を竹葉椒根といい、頭痛、風邪、打撲傷、歯痛などに用いる。葉に香りが少ないことから香辛料としてはあまり用いられない。

生薬

生薬名

秦椒 神農本草経(上)はフユザンショウZanthoxilum alatumで同じ

使用部分

根 茎葉

採集時期・方法

茎葉を日干しにする。

色・味・香り

外面 淡褐色~暗褐色で淡灰色の小隆起点が散在。弱い匂いがあり、味は苦い。

撰品

種子及び果柄などの異物が少なく、新鮮で香り強いもの。

公定書

日本薬局方 ―

  局外生規  ―

  中共薬典  ―

漢方例

山椒として、大建中湯(金)、当帰湯(千金方)

薬性・薬味

辛、温

応用・利用

去風湿・止痛の作用があり、間背痛・下腹萎弱を改善する薬方に用いる。

暮らしの中での用途や木にまつわる話など

アゲハチョウの食樹

中国では根、根皮、葉、果実、果皮を生薬とする。