科・属名

ニシキギ科 Celastraceae

ニシキギ属 Euonymus

学名

Euonymous alatus (Thunb.) Siebold f. alatus

英名

Spindle tree,Japanese winged Euonymus

和名の由来

秋の紅葉のすばらしさを錦に見立ててニシキギ。

学名の由来

Euonymus euは良い+onomaは名。「良い評判」の意。紅葉が素晴らしいところから付けられたのか。Alatus 翼がある。

木の特性

分布

日本(北海道、本州、四国、九州),朝鮮半島、中国に分布。

丘陵から産地に広く生育。明るい林内、林縁に生育。

形態

落葉低木。

樹皮は灰褐色。若い枝のころから表皮を突き破ってコルク質の翼をだす。老木になっても翼の名残が見られる。翼のないものはコマユミ。

葉は対生、細かいきょ歯があり、先端は細く尖り、密に茂る。

花は初夏、淡緑色の花弁4、雄しべ4,雌しべ1の花が多数つく。

果実は7㎜ほど、だ円形の朔果、熟すと赤紫色の果皮が割れて赤い仮種皮に被われた種子が露出。

果実食の鳥が採食し、仮種皮を消化して種子は排泄される。

特性

葉はケルセチン、ズルシトール、エピフリーデラノール、フリーデリンを含む。

枝部分を薬用として利用するほか、赤色の果実を煎じて飲むだけで、木や竹のとげが抜けると言われている。

以前には果実をつき砕いて水と油を入れて練ったものを頭髪に塗ってシラミを殺すのに用いていた。

生薬

生薬名

衛矛 神農本草経(中)はニシキギEuonymus alatus(Thunb.)も同じ

使用部分

枝に出るコルク質の翼

採集時期・方法

年間を通じて、採取して日干しで乾燥。若枝と葉を除く。

公定書

日本薬局方 ―

  局外生規  ―

  中共薬典  ―

薬性・薬味

苦 寒

応用・利用

活血・通経の作用があり、無月経や産後の腹痛などに用いる。殺虫 寄生虫による腹痛

暮らしの中での用途や木にまつわる話など

庭園木、公園木として観賞用として植栽される。

秋に葉が赤く紅葉する。枝のコルク質の翼、果実などを薬用。材は硬いが工作しやすく、版木、杖、弓、彫刻材、木釘 、櫛材として利用する。