科・属名

ブドウ科 Vitaceae

ノブドウ属 Ampelopsis

学名

Ampelopsis japonica (Thunb.) Makino

英名

Mountain grape, Japanese pepper vine

和名の由来

根が紡錘形に肥厚し、髄が白いことで白斂(ビャクレン)。別名のカガミグサは昔、鏡を磨くことに用いられた植物の総称。ガガイモ、ダイコン、ヤマブキなどもカガミグサと呼ばれていた。

学名の由来

Ampelopsisはギリシャ語で ampelosはブドウ+opsisは外観。ブドウに外見が似るため。Japonica 日本の。

木の特性

分布

中国(東北、華北、河北、湖北、四川)に自生。

日本には亨保年間に渡来。

形態

つる性多年草。

つるは10m位伸びる。

茎、花柄、葉柄は赤みを帯びる。

葉には葉柄があり、葉身は掌状に深く切れ込み、特に羽状に深く切れ込みむ時は葉軸に翼がでる。時には2回羽状複葉となることもある。葉と対生する巻きひげがある。葉縁には荒いきょ歯。

夏に集散花序を出し、花序は葉と対生する位置に薄黄色の小さな花をつける。花弁5、雄しべ5、雌しべ1。

花期が一ヶ月と長いので花と果実を同時に見ることができる。

果実は液果、白色、紫色、青色などで、球形。

根は塊状で薬用とする。

生薬

生薬名

白斂 神農本草経(下)はカガミグサ Ampelopsis japonica Makino

使用部分

根。別名のカガミグサは昔、鏡を磨くことに用いられた植物の総称。ガガイモ、ダイコン、ヤマブキなどもカガミグサと呼ばれていた。

採集時期・方法

夏に根を取り、日乾する。

主な薬用成分

粘質・デンプン 詳細は不明。

公定書

日本薬局方 ―

  局外生規  ―

  中共薬典  ―

薬性・薬味

苦、平

応用・利用

清熱・解毒・消癰腫・止痛作用があり、化膿症・瘰癧・やけど・痔出血などに用いる。外用には粉末を散布するか、絞り汁を塗布する。

その他

ブドウの仲間で、秋になると白・紫・青などいろとりどりの球形の液果がなり、美しいため観賞用に栽培されている。

暮らしの中での用途や木にまつわる話など

肥大した塊根をビャクレンと呼び薬用。

果実の色がさまざまなことから観賞用とされた。

江戸時代亨保年間に将軍吉宗は朝鮮、中国など外国産の薬用植物を多数導入して国内で栽培する中にビャクレンもあった。

これらの輸入薬用植物は幕府直轄のお薬草園、小石川お薬草園、駒場お薬草園などの栽培目録にも載っている。