科・属名

ウコギ科 Araliaceae

ウコギ属 Acanthopanax

学名

Acanthopanax supinosus (L. fil) Miq.

和名の由来

漢名「五加」の発音「ウコ」に木がついた。またヤマに生えるので、山五加木(ヤマウコギ)となった。中国にはヤマウコギはなく、五加(ウコギ)のみである。

学名の由来

Acanthopanax Akantha はギリシャ語の刺 + panaxは万能薬 (ギリシャ語pan総 + akos治療)。Supinosus 刺の多い。

木の特性

分布

本州(岩手県以南)。

丘陵、山地の林内に生育。

形態

落葉低木。雌雄異株。

樹皮は灰褐色、縦に割れ目があり、節には真っ直ぐな刺がある。若い枝は枝垂れる。

短枝と長枝があり、葉は長枝にはまばらに付き、短枝には密生する。掌状複葉、葉柄は長い。小葉は荒いきょ歯がある。両面は無毛。

初夏に短枝の先端に散形状で黄緑色の小さい花を多数つける。がく筒は釣鐘状で先端が浅く5裂、花弁5。雄花には雄しべ5,雌しべは殆ど退化。雌花には目立たない雄しべ5,雌しべ1の花柱は2裂する。

果実は液果、扁平な球状、秋に黒熟する。

特性

根皮は4-メトキシサリチルアルデヒド、パルミチン酸、アラギン酸、リノール酸、ステロールを含む。

葉は7種の3αーヒドロキシオレアナン型トリテルペンのオリゴグリコシルエステルであるスピノサイドD1,D2,D3、C1,C2,C4,C5、および 3種の3αーヒドロキシー30-ノルオレアナン型トリテルペンのオリゴグリコシルエステルのスピノサイドC3,C6、C7を含む。

生薬

生薬名

五加 神農本草経(下)はヤマウコギAcanthopanax spinosus (L.fil.)Miqで同じ

使用部分

根皮、茎皮

採集時期・方法

夏~秋に根を掘り取り、根の皮を剥ぎ、水洗いして切片にし、日干しする。

撰品

肉厚で木部がなく、香気苦味共に強いもの。

主な薬用成分

i4-methoxysalicyl aldehyde

公定書

日本薬局方 ―

 局外生規 ―

 中共薬典 ―五加科植物 細桂五加 Acanthopanax gracilistrylus w.w.Smith

       的乾燥根皮

薬性・薬味

辛、温

応用・利用

去風湿・補肝腎・強筋骨・利水の作用があり、関節痛・筋肉や腰膝のi痛み・インポテンツ・むくみ・筋力低下・脚気などを改善する薬方に配合される。

暮らしの中での用途や木にまつわる話など

根の樹皮を乾燥させたものには、五加皮といい、強壮、利尿、鎮痛などの薬効がある。

五加皮の煎汁に麹及び飯を加えて醸造したものを五加皮酒といい、強壮の働きがある。若い葉は食用。