
科・属名
バラ科 Rosaceae
サクラ属 Prunus
学名
runus persica (L.) Batsch
英名
Peach
和名の由来
「真実(まみ)」は味から転じた、「燃実(もえみ)」は果実の色から転じた、「百(もも)」は果実を多数付けるから転じたなどの説がある。
学名の由来
PrunusはPlumのラテン名、persicaはペルシャを意味する。
木の特性
分布
中国西北部、黄河上流の高山地帯に自生。
日本には縄文から弥生時代に大陸から栽培種が伝搬した。
形態
落葉小高木。
若枝は紫褐色または緑色、樹皮は暗紫褐色。
材質は割れにくく丈夫である。
葉は花と同時か少し後に出る、長さ15㎝で細長い、葉縁は荒いきょ歯がある。葉の基部に腺点がある。
春に前年枝の葉腋に1-3個の薄桃色の花を付ける。花は4㎝程度、花の色は変化が多い。雄しべは多数、雌しべ1。
夏に果実が実り、球形、片面に縦の溝がある。核果は赤みのある黄白色、有毛の薄い皮に被われる。果肉は水分を良く含み柔らかい。
種子は大きく、表面にシワがよる。
特性
種子はオレイン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、のグリセライド、青酸配糖体のアミグダリン、花はケンペロール配糖体、クマリン、葉はタンニン、アミグダリンプルナシンを含み、抗腫瘍活性がある。
辺材は褐白色、心材は褐色、紅褐色、暗褐色などがあり、辺材と心材の境はやや不明瞭。
肌目は緻密。材の気乾比重は0.7~0.85程度であり、材質は重硬で割れにくい。

生薬
生薬名
桃核 神農本草経(下)は Prunus persica (L.)Batschで同じ
使用部分
種子
採集時期・方法
夏~秋に果実を採取して、数ヶ月間積み重ねた後、殻を除き、種子を取りだし、日干しにする。
色・味・香り
赤褐色~淡褐色。殆ど匂いがなく、味はわずかに苦く、油様である。
撰品
肥大し、油分の多いもの。
主な薬用成分
青酸配糖体, 酵素、脂肪
漢方例
桃核承気湯(金)、桂枝茯苓丸(金
薬性・薬味
苦甘、平
応用・利用
活血・排膿・駆お血・鎮痛・潤腸作用があり、下腹部の疼痛・腹部の血液の停滞・月経不順などを改善する薬方に配合される。
暮らしの中での用途や木にまつわる話など
果実を生食。加工して缶詰とし、種子の内核を桃核、桃仁と呼び、蕾とともに生薬とされる。
種子に鎮咳、消炎、花蕾に利尿などの作用があることが知られている。
本への渡来は早く、弥生式時代の遺跡からモモの核が出土しており、早い時代に中国から渡来している。食用の他に祭祀にも用いられた形跡があり、斉串(いぐし。清められた串、玉串)などと共に出土している。平安時代にはまだ食用とされるよりは薬用、観賞用だったと言われている。明治時代には甘味の強い水蜜桃系品種が輸入され食用とされるようになった。材は器具材、漆器木地、玩具、そろばん玉などに利用される。
葉は民間薬として風呂に入れてあせもをとるのに効果がある。
花を観賞する「花桃」は江戸時代に多くが開発されて200品種以上が存在する。
モモは邪気を払う力を持つと考えれていた。
事記では「いざなぎの尊」が桃をなげて鬼女「よもつしこめ」を退散させたと記されている。 万葉集には大伴家持の「春の苑(その)、くれないにおう桃の花、した照道に出で立つおとめ」の歌がある。桃から生まれた桃太郎の話、ひな祭りが桃の節句と呼ばれ、モモの花の枝を添えるなど、モモを題材とした物語や習わしは多い。
シルクロードを経てペルシャ経由で西へも伝えられ、英名Peachはペルシャ語起源のラテン語でpersicum malum 「ペルシャのリンゴ」に由来、種小名「リンゴ」の由来も同じ。
樹皮は染料とされる。
桃は発芽から結実まで比較的短い事から他の果樹と比較されることが多く、次のような言葉がある。
桃栗3年柿8年。桃栗3年柿8年、梨の大馬鹿18年。
桃栗3年柿8年、クリの大馬鹿20年。