科・属名

バラ科 Rosaceae

サクラ属 Prunus

学名

Prunus japonica Thunb.

英名

Japanese bush cherry、Korean cherry,Flowering almond,Oriental bush cherry

和名の由来

庭に植える、ウメに似た花の木の意。

学名の由来

PrunusはPlumのラテン名, Japonica 日本の。

木の特性

分布

原産地は中国(華北、華中、華南の産地)。

日本へは江戸時代に渡来。

水はけが良くい湿り気のある環境を好み、日陰でも日向でも育つ。林内や開けた場所に育つ。

形態

落葉低木。

若い枝は細く、緑紫色、無毛。

葉はほぼ卵形、先端は尖り、裏面の脈上は有毛。基部には1対の蜜腺、葉縁は重きょ歯となる。

春に前年枝に1-3個の淡紅色または白い花を付ける。短い花柄があり、葉と前後して開花、径2㎝以下で枝を被うように多数が咲く。

がく筒は広い釣り鐘形、花弁は5、雄しべは多数、雌しべは1。

果実は核果、ほぼ球形で径1㎝、初夏に鮮紅色に熟し、先端に雌しべの柱頭が残る。

特性

種子は青酸配糖体のアミグダリンのほか、サポニン、フィトステロール、ビタミンB1を含む。

種子は利尿、便秘に効果がある。

生薬

生薬名

郁核 神農本草経(下)はPrunus tomentosa Thunb.で同じ

使用部分

種子

採集時期・方法

秋(8~10月)に成熟果実を採取し、日陰湿った所に積み重ね、果肉を腐乱させ、殻を取り出し、割り、中の種子を集め、乾燥。

色・味・香り

黄白色か黄褐色。あるいは濃褐色。匂いは弱く、すこし苦味がある。

撰品

肉が厚く、淡黄白色で、形が揃っていて砕けておらず、油も進出せず、核の殻がきれいに除去されているものが良品とされる。

主な薬用成分

アミグダリン サポニン 脂肪 有機酸

公定書

日本薬局方 ―

  局外生規  ―

  中共薬典  ―

漢方例

五仁丸(世医得効方)、郁李仁湯(本朝経験方)

薬性・薬味

酸、平

応用・利用

潤腸・通便・利水・消腫の作用があり、便秘や排尿減少・むくみなどに用いる。

暮らしの中での用途や木にまつわる話など

庭園樹のほか、切り花や鉢物として利用する。果実は甘く、食用となり、薬用酒にもなる。

種子(仁)や根皮も薬用とする。

葉では緑色に染まり、果実は緑色から灰色の染色に用いる。