科・属名
ナス科 Solanaceae
クコ属 Lycium
学名
Forsythia suspensa (Thunb.) Vahl
英名
Chinese desert-thorn, Chinese boxthorn, Chinese teaplant, chinese wolfberry
和名の由来
中国名 「杞枸」の音読みがクコ
学名の由来
Lycium ギリシャ語、中央アジアのLycia(地名)に生育した、刺の多い木。
Chinense 中国産の意。
木の特性
分布
中国原産。東アジア、北米にも移入。
海岸、川原、田畑の畦など人の手が加わりやすく、高木が生えにくい環境で湿り気のある水辺の砂地を好む。乾燥にも強い。
形態
落葉低木。
茎は細く、分枝しないで、ほふく枝も束生し、多くの枝は上向きに伸びる。長枝上に4㎝前後の葉と2㎝程度の刺が互生する。
薄紫色の花は2㎝程度で晩夏に咲く。花冠は釣り鐘状で5裂。雄しべ5,雌しべ1。
果実は液果で細長く、2㎝程度のだ円形、赤く熟す。
特性
葉はベタイン,βーシトステロールグルコシド、ルチン、ビタミンB1,B2,Cを含む。
果実はベタイン、ゼアキサンチン、フィサリエン、根皮にベタイン、桂皮酸、βーシトステロール、リノール酸を含む。
果実の水抽出物は副交感神経を刺激して心運動の抑制、血圧降下作用があり、また、強い抗脂肝性があり、強壮、肝臓障害予防に用いられる。
生薬
生薬名
枸杞子 地骨皮 神農本草経(上)はクコLycium chinense Millerで同じ
使用部分
茎、葉、果実、根皮
採集時期・方法
葉は夏。果実と根皮は秋に採集し、日干し乾燥する。
色・味・香り
果実を枸杞子という。果皮は赤色~暗赤色。特異なにおいがあり、味は甘く、後わずかに苦い。根を地骨皮という。外面灰黄色あるいは黄褐色。内面黄白色。いは弱く、味は少し甘い。
撰品
枸杞子 完熟していて、黄色く赤味がかったもので、黒くないもの。
主な薬用成分
果実 カロチノイド(zeaxanthin physalien)、(betaine)、ステロール(sitosuterol)、根皮 betaine ステロール(sitosuterol)
公定書
薬局方―
局外生規 ―枸杞子 クコLycium chinense Miller
L.barbarum L. の果実
枸杞葉 L.chinense Millerの葉
地骨皮 L.chinense Millerの根
中国薬典:地骨皮 枸杞Lycium chinense Mill.或
寧夏枸杞Lycium barbarum L. 干燥根皮
漢方例
枸杞子として、枸菊地黄丸(地黄丸加味方)、 地骨皮として、清心蓮子飲(和剤局方)
薬性・薬味
苦 寒
応用・利用
葉は動脈硬化、高血圧の予防、安眠に利用され、果実は低血圧症、不眠症、強壮などに、共にクコ酒として飲む。
根皮は強壮、消炎、解熱などに漢方薬に用いられる。
暮らしの中での用途や木にまつわる話など
わが国の野原、道端、川の土手などの明るい場所に生育し、観賞用や生垣にもされる。
皮は赤熟し、強壮作用があり、果実を生食、どライフルーツに利用。根皮を乾かしたものが地骨皮で、葉を乾したものがクコ葉であり、解熱用に用いる。
果実を酒に付けたものをクコ酒と言い、強壮になる。若葉が香りがよく、浸し物にしたり、茶の代用とすると健康増進に効果がある。
また、飯に混ぜてクコ飯とする。果実、根皮、葉は生薬とする。