科・属名

ノウゼンカズラ科  Bignoniaceae

ノウゼンカズラ属 Campsis

学名

Campis grandiflora (Thunb.) Loisel

英名

Chinese trumpet creeper、Chinese trumpet vine

和名の由来

漢名「凌霄」は古くは音読みで「のうせう(ショウ)かずら」と読まれていたが、次第に「のせう」が「のうぜん」に変じたもの。凌(音読みでりょう)は「しのぐ」の意、霄(音読みでしょう)は「空」「雲」の意で、つるが木に巻き付いて天空に高く伸びることに由来。

学名の由来

Campsis ギリシャ語、kampsisは曲がっているの意で雄しべの形が曲がっている事による。

Grandiflora 花が大きいの意。

木の特性

分布

中国原産。平安時代に渡来したと言われる。

形態

つる性落葉樹。耐寒性はない。

植物は丈夫で生長が早い。茎は長く伸び、生じた気根で、他のものに付着して這い上る。幹は太くなる。地下茎を伸ばし、周囲に広がる。

葉は奇数羽状複葉、対生、長さ3-7㎝、小葉は2-6対、小葉縁には荒いきょ歯がある。

夏、茎の先端に円錐花序を付ける。オレンジ色の花冠はロート状、大きさ6-7㎝、1日花。多量の蜜を生産する。鳥媒花。雄しべは4の内2が長い。雌しべ1の先端は大きく2裂。 果実は朔果だが日本では結実しにくい。

特性

花は月経異常,子宮出血、打撲傷に効果があり、茎葉、根は通経、利尿、湿疹、じんましんに効果がある。

生薬

生薬名

紫威 神農本草経(中)は Campis grandiflora (Thunb.)Loiselで同じ

使用部分

採集時期・方法

夏、開花したばかりの花を採取し、日干し、または加熱乾燥する。

公定書

日本薬局方 ―

  局外生規  ―

  中共薬典  ―

漢方例

紫威散(沈氏尊生書)

薬性・薬味

酸,、微寒

応用・利用

行血・駆血・止血などの作用があり、血滞・月経不順・無月経・こしけ・腹内腫瘤・かゆみ・大小便不利などに用いる。

暮らしの中での用途や木にまつわる話など

ノウゼンカズラは平安時代に中国から導入されている。古くから鑑賞用に植栽。

寿命が長く、樹齢400年以上と見られる株は秀吉が朝鮮半島から持ち帰ったとされ、今も金沢市内に残って居るらしい。

花は生薬として用いる。

花の香りを嗅ぐとめまいがし、蜜が有毒という迷信があり、人家に植えるのを嫌う。実際には無毒。