科・属名

ノウゼンカズラ科 Bignoniaceae

キササゲ属 catalpa

学名

Catalpa ovata G. Don

英名

Japanese catalpa、Chinese catalpa、Yellow catalpa

和名の由来

葉が落ちても木に残って居る果実がササゲ(マメ科)に似るので「木」のササゲと呼ばれた。

学名の由来

Catalpa 南米の現地名。Ovata 葉の形が卵円形に基づく。

木の特性

分布

中国原産。

日本各地の河川敷、湿った場所に野生化している。

形態

落葉高木。

高さは10m、幹は太くなる。樹皮は褐色、若木では皮目が目立ち、成木では細かい割れ目が入る。

葉は大きく、3-5裂に浅く切れ目が入ったものから丸いものまであり、対生。葉柄の付け根や裏面の主脈にそって蜜腺が多数分布。

初夏、枝先に円錐花序をだし、花は淡黄色、花弁の内側に紫色の斑点がある。雄しべ5の内3は短くて不稔、雌しべ1。

果実は細長い朔果、花が終わると急に伸びて、果序から垂れ下がり、長さは30㎝。果実の中に長い毛を持つ扁平な種子が多数見られる。

種子は良く発芽する。

特性

成長は早く、寒さにも耐える。果実は、カタルポサイド、カタルポール、カタルパラクトン、αーラパコン、カタルパノン、βーシトステロール、p-ヒドロキシ安息香酸、クエン酸、脂肪油、を含む。カタルポサイドに強い利尿作用がある。

果実は腎炎、ネフローゼ、脚気に効果があり、根皮や樹皮は梓白皮と呼ばれ、中医方では解熱、駆虫、横断に用いる。

材は軽いので下駄、版木、器具類に利用される。

生薬

生薬名

梓白皮 神農本草経(下)は キササゲCatalpa ovate G.Donで同じ

使用部分

樹皮、根皮

採集時期・方法

春・夏に根皮や樹皮を日干し乾燥。

色・味・香り

灰褐色。弱い匂いがあり、味はわずかに渋い

撰品

果柄の混入が少なく、あまり砕けなく、わずかに種子をあらわす程度に尖端が割れているものが良い。

主な薬用成分

果実 catalpoxide、根皮 isoferulic acid、sitosterol、樹皮 p-coumaric acid,ferulic acid

公定書

日本薬局方 ―

  局外生規  ―

  中共薬典  ―

漢方例

麻黄連しょう(車編に召)赤小豆湯(傷)

薬性・薬味

苦、寒

応用・利用

利尿・清熱・解毒・止痒の作用があり、むくみ・発熱・黄疸・皮膚のかゆみ・瘡疥などに民間薬として用いる。漢方処方には使用しない。

その他

別名「雷電木」といわれ、雷よけの迷信から庭に植えられていた。

暮らしの中での用途や木にまつわる話など

公園樹、庭園樹として植栽される。果実は利尿剤になる。昔は弓を作り梓弓といったとも言われている。

若葉は食用になる。未熟な果実は薬用。

高木になり、水気を好むので避雷針代わりとして神社、仏閣、屋敷内に植えられた。