科・属名

イネ科 Gramineae

マダケ属 Phyllostachyse

学名

Phyllostachys nigra (Lodd.) Munro var. henonis (Bean) Stapf.P.henonis Bean

英名

Henon bamboo

和名の由来

ハチクは[破竹]、即ち本種を割るときに最初の一節を割るとそのあとは一気に割れるため。古代中国の晋書の中の語に基づく。

学名の由来

Phyllosstachysはギリシャ語でphyllon 葉、stachys穂の意で包葉に包まれた花穂の様子に基づく。Nigra 黒い

木の特性

分布

中国原産。黄河流域の南部に分布

日本では北海道以南で栽培、野生化。モウソウチクより耐寒性があるので日本海側に多い。産地で野生化したものも多い。

形態

稈の直径は10㎝、高さ15mになる。

節の輪は2、節間は20-40㎝。若い茎には白粉が表面を被い、各節から枝が2本出る。

皮は紫色、先端にびん毛がある。

花は早春に竹やぶ全体で一斉に開花するが、殆ど結実しない。開花後数ヶ月で地下茎と稈が立ち枯れするが、開花した個体で茎の数節の芽が残り、秋までに葉を付け、30㎝ほどに生育し、次の年の再生竹は葉をつけて生き残る。タケは種子では無く、栄養繁殖により次世代を残す。竹は木でも草でもない。

木は原則として維管束形成層による二次的肥大成長を行うことができるが草にはそのような性質はない。

特性

トリテルペンのグルチノール、グルチノン、フリーデリン、エピフリーデリンを含む。

ほかに、ビタミンK を含む。本種はモウソウチク、マダケについで各地で栽培される。耐寒性があるため日本海側に多い。各地の山地で野生化している。

生薬

生薬名

竹葉 神農本草経(中)は クチク(苦竹)Pleioblastus amarus (Keng)Keng fil.

使用部分

採集時期・方法

生葉の葉の先と葉脚部分を5分ぐらいを釧刀で切り、すぐに煎じ薬に入れる。

色・味・香り

外面 淡褐色~暗褐色で淡灰色の小隆起点が散在。弱い匂いがあり、味は苦い。

撰品

新鮮なもの

主な薬用成分

トリテルペノイド(betulinic acid)、リグナン(phillygenin)、エニルエタノイド配糖体(hydroyacetoside)、フラボノイド(rutin quercitrin)

公定書

日本薬局方 ―

  局外生規  ―竹ジョ Bambusa tuldoides Munro

           ハキク Phyllostachys nigra Munro

                 var.henonis Staph et Rendle

           マダケ P.bambusoides  Sieb. et Zucc.  

                 のカンの内層

  中共薬典  ―

漢方例

竹葉石膏湯(傷)、麦門冬飲子(宣明論)

薬性・薬味

苦、平

応用・利用

清熱・除煩・利水の作用があり、煩熱・口渇・などを改善する薬方に配合される。

その他

薬用部位としては葉以外に皮じょ(竹の幹の堅い上皮を薄く剥ぎ去り、内皮を薄く削った部分・清熱、去痰)・筍(タケノコ)・根茎・汁(葉を絞って作る・清熱)・実・瀝(竹の稈を火の上に置いて切り口から出てきた液体・去痰薬)などがある

暮らしの中での用途や木にまつわる話など

クレチク、カラダケともいう。日本名は白竹との説もある。クロチク、ゴマダケはハチクの変種。

枝が細くきれいなので竹ぼうきとして好まれる。正倉院御物の中にある笙、尺八、筆などはハチクで作成されている。

稈は細く割りやすいので、茶筅(ちゃせん)に利用される。茶筅などの茶道具、竹竿、尺八などの材料に古くはハチクが使われた。枝葉が細かいので見た目が美しく庭園樹に用いられる。竹をあぶって出てきた液汁を凝固させたものを薬用に用いる。葉も薬用。竹の皮を黒焼きにしたものがマラリアに効果がある。

この種のタケノコは食用で、3月-5月までが旬。

採取時にはあくがなく、生食しても美味。マダケに似るが、生える時機が早く、竹皮に黒点模様がない。

稈の内側の薄皮は竹紙と呼ばれ、笛の響孔に張り音の響きを良くする。

漢方薬にも使われる。

タケの寿命はおおよそ100年程度、人の年齢の10倍がタケの年齢とされ、地下茎からは2年(人の20歳)でタケノコが出る。