
科・属名
トチュウ科 Euconomiaceae
トチュウ属 Euconomia
学名
Eucommia ulmoides Oliver
英名
Gutta-percha tree Chinese rubber tree
和名の由来
漢名の「杜仲」(トチュウ)を用いた。
古代中国で「杜仲」と言う人が樹皮を煎じて飲んだところ仙人の悟りを開いた故事に因む。
学名の由来
Eucommia Eu 良い + komi ゴム 樹脂がゴム状であることから。
Ulmoides ニレに似ているを意味する。
木の特性
分布
中国原産。中国南部、長江中流域に分布するが現在では野生するのは希。
日本には大正7年(1918)に渡来。
6000万年前の化石は中央ヨーロッパ、北米から発見されており、恐らく分布は世界に広がっていたと見られるが、現在では中国に自生するのみ。栽培は世界各地で行われている。
形態
落葉高木。雌雄異株。
樹高は20m、樹皮は暗褐色。樹皮、枝、葉は折ると銀白色の糸を引く。
葉はニレやケヤキに似る長だ円形、先端と基部が尖る。葉柄は長く、葉縁は細きょ歯があり、若い葉の両面は有毛、古くなると裏面のみに残る。
春、花は葉に先立って枝の先端部に咲く。花被はなく、全体が緑色。雄花は雄しべ8-16、花糸は短い。雌花は雌しべ1のみ、花柱はなく、柱頭は2裂して下方を向く。
秋に生じる翼果は淡緑色、長だ円形、3-4㎝ほど、翼の先端は凹む。種子を1個含む。
特性
樹皮にイソプレン重合体のグッタペルカを2~6.5%、オークビン、精油を含む。
1科、1属、1種でAPG分類体系ではガリア目(Garryales)に分類される。
化石が北米、中央ヨーロッパで見つかっており、6000万年前には各地に分布していたが、現在では中国で確認されるのみである。

生薬
生薬名
杜仲 神農本草経(上)はEucommia ulmoides Oliverで同じ
使用部分
樹皮
採集時期・方法
4~6月に幹皮を剥いで乾燥。粗皮を削り去り、汗をかいて紫褐色になるまで、重ねて放置。
色・味・香り
外面 淡灰褐色~灰褐色。内面 暗褐色~褐色。わずかに特異なにおいがあり、味はわずかに甘い。
撰品
肥大して厚く、折ると良く白糸を引くもの。
主な薬用成分
gutta-percha geniposide cyclic olivil、olivil
公定書
日本薬局方 ―
局外生規 ―
中共薬典 ―杜仲科植物 杜仲Eucommia ulmoides Oliv. 的乾燥樹皮
漢方例
大防風湯(万病回春)、補陰湯(万病回春)
薬性・薬味
辛、平
応用・利用
強壮・強精・鎮痛作用を持ち、神経痛・筋肉痛・関節痛・足膝軟弱・高血圧・流産防止・インポテンツ・頻尿などを改善する薬方に用いられる。
その他
1990年頃からトチュウの葉が健康茶として売り出され、杜仲茶の名が知られるようになった。
暮らしの中での用途や木にまつわる話など
若葉を杜仲茶として飲用。民間では樹皮を煎じて強壮剤として用いていた。樹皮や葉にはゴムの原料となるグッタペルカが樹皮に7%、 葉に約2%含まれている。グッタペルカはグッタペルカの木から採取される乳液を乾燥したもので、その主成分は、ゴムの木からの乳液と同じように、イソプレン重合体である。グッダベルカは、酸、アルカリ、塩類に強く、化学薬品、医療機器、水中機器、宇宙機器など広く絶縁材料などに用いられる。
マレーシヤ原産でアカテツ科のグッタベルカノキからは大量のグッタペルカが採取される。温帯産のトチュウは採取することが出来る唯一の植物であるが。収量は少ない。
中国では5000年以上前から漢方薬として重要な「幻の薬木」、仙木とされた。19世紀になって初めて西欧に紹介された。樹葉は15年以上生育しないと採取出来ないので薬用人参より貴重品で薬用として別格の扱いをされた。